革の値段、高いものと安いもの差はどこにあるのか。

革の値段、高いものと安いもの差はどこにあるのか。

ネットショッピングでよく革商品を見かけるが、その値段差に戸惑うこと多々あります。同じタイプの革バッグにしても、高いものは何十万円もする、安いものは1万円前後。今日はその革の値段差についてお話しましょう。

1、原材料の「皮」に差があります。

同じ動物といっても、皮には差があります、人間のように年を取った動物の皮は質が劣る。野生と飼育ものに比べて、皮の表面の傷具合や柔らかさ、体の大きさも大きく違います。当然体が大きい分、一頭につきとれる皮の面積も多く、
原価も下がります。現在、日本の市場に流通している革はほとんど牛の皮を原材料にしたものです。他の動物より、体が大きくのと、日本では、牛肉の需要も高く、その分牛の数が多いからでしょう。
要は、動物が若くて、傷やシミの少ない革ほど、高いです。

2、加工手法に差があります。

動物の「皮」ですので、そのままだと、当然腐るし、見た目のダメですね。商品に使える「革」にする必要があります。その手法を「鞣し」といいます。この鞣しにはいろいろな方法がありますが、今最も使われている手法は2つあります。
「クロム鞣し」「植物タンニン鞣し」。この二つの手法の一番大きい違いは「鞣し剤」と「所要時間」です。
「クロム鞣し」の鞣し剤はクロム化合物、所要時間概ね1日~数日程度。
「植物タンニン鞣し」の鞣し剤は天然植物の渋、所要時間は1か月~数か月です。
上記通り、その値段差もわかりやすいでしょう、そうです、植物タンニン鞣しの方が圧倒的高いです。

3、仕上げ手法に差があります。

鞣しを完成した革を異なる手法で仕上げることによって、いろいろ種類の革になります。
仕上げ方法を大きく分けると「素仕上げ」「染料仕上げ」「顔料仕上げ」、違いはなめした革をどれほど手を加えて加工するか。実は仕上げ方法は革本来の状態である程度決めらている。
詳しく言うと、本来傷が少なく、きれいな皮はなめしたあど、素仕上げにされることが多い、文字通り、素仕上げは仕上げ剤など使用せずに、表面を磨いき、つやを出し、革の質感を一番味わえる手法。
本来傷がある程度ある皮は「染料仕上げ」にすることが多い、傷やシミを目立たせないようにアニリン染料を革に染みこませ色をつけるて、革の素材感を重視し、傷も革の表情として楽しむ。
表面に傷が多く、見た目悪い皮は「顔料仕上げ」にすることが多く、革の表面全体にスプレー等使って、傷を隠すよう、顔料を厚くつけて、革の上から色を乗せる。華やかな着色ができ、均一の革を大量生産できる。
上記のように、「素仕上げ」の革の値段が高く、「顔料仕上げ」の革が安いわけですが、実際皮本来の質に左右されるとのことですね。

追記

同じ革のことのですが、ネット上ではいろいろな呼び方がある、よくある表現としては「本革」「天然皮革」「牛革」「レザー」など、これらの表現は言い方が違うだけでみんな同じ、「革」のことを指しているです。
素材表記に上記もの記載していれば、概ね革商品で間違いありません。注意すべきなのは「合成皮革(合皮)」「人工皮革」「フェイクレザー」等の表記は「革」ではありません。
基本「革」の定義は動物の皮を鞣した状態のものです、牛、豚、鹿等の皮を原材料にしたものは「革」と言います。「合成皮革(合皮)」「人工皮革」「フェイクレザー」等は動物の皮を使わず、化学繊維等を加工し、革の質感に似せたものです。

まとめ

革の値段の差は原材料の「皮」、加工手法、仕上げ手法三つの要素に左右されるとの